土壌の汚染で農業ができなくなったことを悔しがり、涙をポロポロ流す農家の長男。餌が手に入らず飼っていた3万羽の鶏を全部餓死させてしまった、元シベリア抑留者の養鶏業の老人。愛犬を置いて避難せざるをえなかった飼い主の車を、必死で追いかける犬。
5月28日(土)NHK教育テレビで再放送されたETV特集「ネットワークでつくる放射能汚染地図~福島原発事故から2か月~」 は、見ていて何度も涙があふれてくる優れたドキュメンタリーでした。
“放射能汚染地図”の作成プロセスと、原発事故で「避難する人」と「故郷に残る人」の2ヶ月間を記録した特集です。
原発周辺の土壌や植物、空気中の粒子から計測された数値や、計測機を搭載した自動車で福島県内の道路2000キロを走行して得た数値などを元にマッピングしています。
この番組では、元理化学研究所の岡野眞治博士ら放射能医学専門の科学者たちと協力し、東日本大震災の3日後から放射線量などの測定を行っていたとか。
福島市は飯舘村より汚染されていたことや、極めてやばい放射線量の報告を受けていたのに大丈夫と言っていた枝野官房長官。東電や政府の発表していたことが欺瞞に満ちていることがよく分かり、改めて原発や放射能の恐ろしさを実感した番組。
半国営みたいなNHKがよくぞこんな番組を放映してくれたものです。東電と国による人災、犯罪ともいえる今回の原発事故。ボクはすっかり”脱原発派”になった。
放射能汚染地図
避難する飼い主の車を必死で追いかける犬(道路中央) このシーンでも泣かされた