昨日は「成東文化会館のぎくプラザ」で上映の、『
約束 名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯』を鑑賞した。いやー、凄い映画で、途中で何度か涙をぬぐいました。
1961年、ぶどう酒を飲んだ女性5人が死亡した事件により、戦後初の無罪からの逆転死刑判決を下された奥西勝被告の苦悩と戦いを、実録ドラマを交えて描いたドキュメンタリー。
事件直後の警察の拷問に近い厳しい取調べに耐えかねて、一度自白した後は一貫して無罪を主張し、唯一となる物証や関係人物の証言も確たるものではないにもかかわらず、51年間も獄中にいる奥西被告の真実に迫っています。
ドラマ部分では、青年時代と現在の奥西被告をそれぞれ山本太郎と仲代達矢が演じ、母を樹木希林が熱演。
事件当時の捜査や幾度かの判決の経過に、司法のあり方や正義とは何かについて考えさせられます。
つい先日、2013年10月16日、最高裁判所第一小法廷(桜井龍子裁判長)は名古屋高等裁判所の再審取り消し決定を支持し、第7次再審請求にかかる特別抗告について棄却する決定を下しました。
これにより再審の道はまたしても閉ざされる結果となりました。なお被告人側の60人余の弁護団は次の第8次再審請求にむけて準備しているそうです。
映写後、この事件を35年間にわたって取材している、東海テレビの門脇康郎さんがゲストトークを行い、最後にこの事件は明らかに”冤罪”と思われると話していました。
主演の仲代さんは初日舞台挨拶で、奥西は冤罪であるとの見解を示したそうですが、ボクもこの事件は限りなく”冤罪”に近いと感じましたね。