今年も何枚かの喪中はがきが届いています。今日は、愛知県のSさんの喪中を知らせるはがきが、奥さんから送られてきました。享年87歳。
Sさん夫妻とは1985年(昭和60年)8月にヨーロッパ各地を周るツアーに参加した時に知り合い、帰国後もずっと連絡をとりあっていました。
Sさんは当時国立大学で哲学を教える教授でしたが、とてもきさくで、温厚な人柄。とてもお堅い哲学の先生とは見えず、ツアー仲間にも人気で、私も気心が合いました。
ツアーの途中、ドイツの古都・ローテンブルグに滞在中に、「日本航空123便墜落」事故のニュースをホテルの支配人から聞き、皆で大変驚いたものです。
Sさん夫妻とはスイスのアルプスを眺めながらワインを飲み、イギリスのパブで夜遅くまでビールを飲んだりしました。いやー、当時のことが目に浮かびます。
Sさんはその後昇進して、愛知教育大学の学長を努めて退官。その後趣味の短歌に没頭、NHK歌壇や短歌朝日などで何回も入賞を重ねていました。
10年ほど前に歌集「碧海野の風」を自費出版、ボクも一冊頂きました。短歌朝日に選ばれた一句。”老いの身に信仰をもつことはなし神なき悲惨の「パンセ」教へて”
Sさんのご冥福をお祈りいたします。
スイス・グリンデルワルトの村 Sさん夫妻とここに2泊。アルプスの少女ハイジの世界を満喫し、登山電車(左)でユングラフヨッホに登りました。