寝る前の1時間弱はなるべく本を読むようにしています。昨夜、「がんばらない」(鎌田實著)を読み終えましたが、いやー、久しぶりにいい本にめぐり会えました。
著者の鎌田さんは長野県茅野市にある、諏訪中央病院の医師・名誉院長として地域医療の第一線で活躍中。またボランティアで、チェルノブイリ原子力発電所被曝事故の患者の治療も永年続けています。
一度テレビで見かけて、そのおだやかな話しっぷりと優しさに感銘を受けたことがあります。
「がんばらない」は、理想の医療とは何かということを問いかけるため、身の回りの様々な実体験を紹介しています。患者と家族、医者、看護師、そして病院との関係がテーマです。
どの話も理想的な生き方、そして望ましい最期を描いています。とは言っても本のストーリーに暗さはなく、鎌田さんの独特の筆致でおもしろおかしいエピソードが挿入され、幸福感、明るさに包まれています。
書名の「がんばらない」は諏訪中央病院内に掲げられている言葉だそうです。鎌田さんによれば、自分の病院に”がんばらない”と掲げていることについて、「我々医者、看護師ががんばりますから患者さんは自分のままでいて下さい」という意味だそうです。
この連休におすすめの1冊ですね。
下は目次の一部です。
・命を支えるということ
・患者が来ない病院
・ぼくが田舎医者になった理由
・チェルノブイリへ
・がんばらない
・医療が変わる
・あなたはあなたのままでいい