かっぱえびせんのCMコピー「やめられない、とまらない」ではないですが、この本は読み出したらやめられません。「運命の人(一)」を読み終わり、昨日サンピアの中にある「多田屋」で、残りの(二)から(四)までまとめて買ってきました。いやー、今月は本代がかさみます。
(一)の概要は、沖縄返還交渉の中で、日米の間で交わされた400万ドルをめぐる密約があることを、毎日新聞の西山記者が察知。外務省審議官の秘書だった女性事務官に近づき、この密約の機密電文3通を持ち出させます。
しかし、ニュースソースがばれないように書いた記事は世間の注目を浴びず、思い余った西山記者はこの機密文書を社会党の衆議院議員に渡します。このことが政治部の花形記者で、何れは毎日新聞の社長になるだろうと言われた、西山記者の運命を180度変えることになります。
72年3月、衆院予算委員会で横路孝弘議員と、国会の爆弾男といわれた楢崎弥之助議員が、この機密電文を国会で暴露。沖縄返還に命をかけていた佐藤栄作総理大臣は激怒、政府はすぐに漏洩の犯人探しを開始しすぐに女性事務官が突き止められます。
日をおかずに女性事務官が国家公務員法違反(秘密を守る義務違反)で、西山記者も同法違反(秘密漏洩のそそのかし罪)で逮捕されます。・・・これから先は(二)に続きます。
何とも偶然ですが、昨日の朝日新聞の訃報を見てびっくりしました。この事件の担当検察官として、「・・・情を通じて」という一文を起訴状にもぐり込ませたことで有名になった、佐藤道夫氏(弁護士)が一昨日死去したそうです。