細くなった左足をひきずるようにして、船橋のLマンションのエントランスに現れたオクさんを見たときは、その痛々しい姿に一瞬我が目を疑い、涙が出そうになりました。
サラリーマン時代の同僚の彼は数年前に大腸がんを手術して人工肛門を装着。昨年夏に再発して現在は自宅療養中。他部位への転移もあるので再手術ができず、痛みがひどくなるたびに抗がん剤を投与してしのいでいます。
転移の影響で左足がしびれて、殆ど感覚がないとのこと。先日は杖をついて散歩中に転倒して怪我をしたらしい。
抗がん剤を投与後10日前後は極度の食欲不振とひどい嘔吐に悩まされ、体調が良いのは月のうちせいぜい1週間から10日前後。
そしてまた恐怖の抗がん剤投与の繰り返し。昨日見舞ったのはちょうど体調が良いとき。
こんな苦しみの日常と決別するため、医師から処方されていた睡眠薬を1か月分溜め込んでその日に備えたが、結局思いなおして、全てゴミ箱に捨てたと聞きました。
現在のオクさんはこのような厳しい状態を淡々と受け入れ、いつもと同じように明るく振舞っていたので一安心。昔会社の帰りに船橋で一緒に飲んだことや、二人でテニスを始め、鎌ヶ谷のテニススクール「オールサム」に通ったことなど話は尽きません。
いやー、毎日元気に仕事やテニス、旅行が出来、何でも食べることができることがいかに幸せか、改めて感謝しなくては。
9月に入ってオクさんの体調が良いときに、共通の友人の横浜在住のスギヤマさんと夕食会をやる約束をして別れました。
※写真は2年前にオクさんが経営していたイタメシの店で撮影 右端がオクさん