数日前から寝る前に読んでいた、落日の宴―勘定奉行川路聖謨 (講談社文庫) を読了。
この本の主人公は、幕末に役人の最高位である勘定奉行を務めた川路聖謨(かわじ・としあきら)。
この本では、川路と日本の開国を強く迫る大国ロシアからやってきた、プチャーチンとの厳しい交渉場面が多く描かれている。
幕府側とロシア側とのやりとりを中心に、川路が国益を守ることを第一にプチャーチンと互角に渡り合い、交渉を妥結に持っていく様がリアルに再現される。
開国に反対する勢力の力が大きく、幕府としては難しい選択を迫られる状況で進められる外交交渉。諸外国に押されるがままに、ズルズルと開国に進んだ訳ではなかったことが理解できる。
ちなみに、川路聖謨は、豊後国日田(現・大分県日田市)の生まれ。ボクと同郷だ。
尖閣や竹島、北方領土をめぐって日本の外交能力が問われている今日、夏休みの読み物としておすすめ。